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コカ・コーラ ボトラーズジャパンが進めるDXとは? 加速する営業現場におけるデジタル化の取り組みを紹介!

2021年12月22日

 

近年、私たちの生活やビジネスの在り方を大きく変えるデジタル技術の活用が加速しています。私たちコカ・コーラ ボトラーズジャパンも総合飲料企業として、安全な製品を安心して飲んでいただけるようお届けすることはもちろんのこと、多様化するお客さまのニーズに迅速に応えるために、ビジネスの抜本的な変革を進める中で、DX推進に取り組んでいます。

今回は、営業現場のDXの取り組みについて、以下システム・技術の活用事例をご紹介します。

 

1. SFA(セールスフォースオートメーション)

SFAは、営業の生産性を向上・改善することを目的とした営業支援システムです。自動販売機、チェーンストア(スーパーマーケット、ドラッグストア・量販店など)、リテール・フードサービス(飲食店・売店など)の各チャネルにおいて、営業担当者が日々の業務に利用しています。

 

SFA導入の背景とは?

2017年に日本の各地域にあった12のボトラー社の統合を経て発足した当社は、当初、営業活動のプロセスや情報の管理方法が統一されていないといった課題があり、早急に営業活動の標準化を行う必要がありました。
そこで、2017年にSFAチームを発足。2018年末より全社展開のための社員向けトレーニングを実施し、2019年1月から本格的に運用を開始しました。

 

どのように活用しているのか?

SFAでは、一日の訪問計画、KPI管理、タスクを整理するToDoリストの作成、お得意さま別の情報、商談内容の共有などが可能です。チャットシステムも実装されており、リアルタイムでチーム内の進捗報告や相談を行うことができます。

操作は、PC、スマートフォン、タブレット端末で可能。外出先・訪問先で利用する際は、支給されたタブレット端末で利用しています。


導入後の社内の反応

SFAの導入によって、営業活動の標準化だけでなく可視化・効率化にもつながりました。以前はPCや手帳で必要な情報(KPI、ToDoリスト、訪問先など)を管理していましたが、導入後は、SFAというプラットフォームに情報がまとまっていることにより、タブレットひとつで簡単に情報が把握できるようになった、上司への報連相がスムーズになった、成功事例の共有が簡単になった、などの反応がありました。

 

また、SFAを活用することで、チーム内だけでなく法人営業や他エリアの営業チームとの情報共有が促進され、営業同士の連携を強めることにも貢献しています。2019年よりSFAを活用し、情報を蓄積してきたことで、コロナ禍以降のリモートワークを中心とした新しい働き方にもスムーズに移行することができました。

現在も、営業現場からの要望を反映した改修は続いています。別システムで管理されている、営業活動に必要な情報もタブレット端末ひとつで確認できるように、SFAの機能拡張にも継続して取り組んでいます。

 

2. AR(拡張現実)

当社では、各チャネルにおいて、自動販売機やディスペンサー、クーラーやラックなどの機材の設置をお得意さまに提案する際に、ARを活用しています。

ARアプリでは、機材を置きたいスペースを撮影し、その画像にさまざまな形態のラック・自動販売機の3Dイメージを合成させ、実際の設置イメージをシミュレーションすることが可能です。その場ですぐにイメージを作成し、お得意さまに見せることができるようになりました。


 

なぜARを導入したのか?

AR導入前は、機材の設置する際、まずお得意先さまを訪問し、設置候補場所を撮影、社内で現場写真と機材写真を組み合わせた提案書を作成し、再度訪問してご提案するというプロセスで活動しており、設置に至るまでに多くのステップを重ねていました。加えて、営業担当者によって提案内容・手段にばらつきがある、お得意先さま側が設置イメージを持つことが難しい、といった課題もあり、売場づくりの効率化が必要でした。

そこで、2019年末に東京エリアからARアプリをテスト導入し、2020年4月より全エリアで運用を開始しました。

 

ARを活用した設置イメージ

<オフィスの自動販売機>


<スーパーマーケットのクーラー>


 

導入後の社内の反応

ARアプリ導入後は、お得意先さまに設置のイメージが伝わりやすくなった、提案時にラック・什器など資材の実物を持参する負荷が減った、新規に設置する際だけではなく設置場所を移動するときも大変便利である、などの反応がありました。商談回数の減少、提案書作成時間の短縮など業務効率化、営業担当者のサービスレベルの統一化にもつながりました。

 

3. 画像認識

お得意さま(店舗)の売り場(製品棚)の陳列状況の把握・維持・管理を目的に導入したのが画像認識アプリです。画像認識アプリは、タブレットやスマートフォンで撮影した売り場の画像を認識し、事前に登録している製品データの中から分析・判別することにより、当社製品の配荷状況、棚に占める割合などをデータ化するというものです。製品のパッケージが変更になった場合でも、製品データを登録しなおし撮影するだけで、分析データに反映されます。

 

なぜ画像認識アプリを導入したのか?

従来は、店舗内にどれだけ売り場(製品棚)があり、各売り場にどれくらい飲料製品が陳列されているのか、本社企画部門から営業担当者へヒアリングを行っていたため、状況把握に非常に時間がかかったり、情報が不確実な部分が発生していました。
そこで、現場の実行力を高め、可視化するために東京エリアでは2019年10月から、全社的には2020年4月から画像認識アプリを導入しました。

 

導入後の社内の反応

画像認識アプリにより、配荷状況・実績をより正確・迅速に把握することが可能となりました。画像認識アプリで得た分析データはSFAと連携されます。これにより店舗営業活動の基準や次の目標・行動が明確になりました。また、商談に精度の高いデータを活用することで、お得意さまに配荷状況を説明しやすくなり、売り上げ拡大のためのさまざまなご提案ができるようになりました。その結果、当社製品の売り場の箇所数が1店鋪あたり1.5倍ほど拡大したという事例も出ています。

 

4. ビッグデータ・機械学習(AI)

これまでは、手売りチャネルがメインのDXについて紹介しましたが、自動販売機チャネルでもデジタル化が進められています。それが、販売エリア1都2府35県に約70万台を設置している自動販売機から取得したデータをビッグデータとして活用する取り組みです。

 

なぜビッグデータ・機械学習(AI)を導入したのか?

当社は2020年より、自動販売機から収集する膨大なデータの分析基盤構築、機械学習に取り組み、2021年4月からは日々のオペレーションにおいて本格的にデータ活用を開始しました。

もともと自動販売機の設置場所や製品構成は、営業担当者やオペレーション担当者の勘と経験に基づいて決定されていましたが、先入観や固定観念を持たず、データによるファクトベースで売り上げ拡大を目指します。

 

どのように活用しているのか?

ビッグデータ基盤で、クラスター分析の活用をはじめとした予測モデル、アルゴリズムを構築し、自動販売機から収集するさまざまなデータ(設置場所、販売時間帯、売れた製品や本数、価格など)を機械学習(AI)させます。AIの予測結果により、各自動販売機における、必要な補充本数・最適な品揃え・機内の最適な在庫数など、より精度の高い分析データを得ることができるようになり、設置環境にあわせた最適なサービス提供が可能となりました。

品揃えに加え、自動販売機の新規設置場所の候補地探しにも活用しています。どこに置き、どの製品を、いくら(価格)で販売すれば、どれだけの売上が立つのかといった予測モデルを作り、予測結果を地図上で参照できるシステムを構築しました。この予測結果が、これまで、担当者が全くターゲットとしていなかった場所を、新規設置場所の候補地として示したことがありました。実際に現地に行ってみると、近くにバイク店があり、予測結果が示した場所はバイク好きの若者が通る導線となっていました。地図の情報を見ているだけでは気づけないことを、データが見出した事例でした。


今回は、当社の営業現場におけるDXの取り組みについてご紹介しました。いずれの取り組みも、当社のビジネスを支える営業活動の業務効率化や多様化するお客さまのニーズに素早くお応えするための活動となります。

DX・デジタル化は導入自体がゴールではなく、私たちの「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します」というミッションの達成に必要不可欠な1つの手段です。お得意さまやお客さまへ新たな価値を生み出すため、今後もデジタル技術を活用しながら、私たちの営業のスタイルを進化させていきます。

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