コーポレートブログ

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【6月は環境月間】私たちが取り組む環境保全の現在地

2024年6月6日

毎年6月は「環境月間」として、世界各地で環境保全への意識を高める啓発活動が行われています。気候変動が顕在化した問題として私たちの暮らしを脅かしている今、環境保全へ取り組むことは社会全体の最優先課題と言えるでしょう。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンでも、水や原材料などのかけがえのない資源を大切に使用し、サスティナブルな社会を実現するためにさまざまな活動を行っています。このブログでは「容器/PET」「水資源保全」「温室効果ガス排出量削減」に向けた各取り組みを紹介し、環境保全に向けた私たちの思いをお伝えします。

■ 容器/PETボトル

コカ・コーラ ボトラーズジャパンを含む日本のコカ・コーラシステムでは「容器の2030年ビジョン」を掲げ、サスティナブル素材(※1)を2025年までにすべての製品に使用し、2030年までにその使用率を100%にすることなどを目指しています。容器由来の廃棄物削減と日本国内におけるプラスチック資源の循環利用を促進し、大切な資源を持続可能な形で有効活用していきたいと考えています。

【「ボトルtoボトル」によるサスティナブル素材の使用推進】

この目標を達成するための取り組みのひとつとして、当社は使用済みPETボトルを新たなPETボトルとして再生する水平リサイクル「ボトルtoボトル」を推進しています。

(※1)サスティナブル素材:「ボトルtoボトル」によるリサイクルPET素材と、植物由来PET素材の合計

行政や事業系パートナーとの協業

「ボトルtoボトル」の取り組みは当社のみで完遂できるものではありません。「ボトルtoボトル」は、使用済みPETボトルをできる限りきれいな状態で回収することから始まります。そのため当社では行政(自治体)や事業系パートナーとの協働事業にも力を入れています。

行政との連携では約30の自治体とPETボトルの水平リサイクルの実施を目的とした協定を締結。住民・事業者・行政の三者が一体となった着実な容器回収とリサイクルスキームの構築を進めているところです。

事業系パートナーとの協業では、オフィスビルと連携してビル共有部から使用済みPETボトルを回収したり、ドラッグストアチェーンと連携して店頭でお客さまから使用済みPETボトルを回収したりする取り組みを行っています。

近年では大規模スポーツ施設やスポーツイベントとも協業。今年、日本のモータースポーツのシリーズ戦で最大級の観客を動員する「SUPER GT」[1]の開催サーキットから回収した使用済みPETボトルの「ボトルtoボトル」を開始しました。

また、約1万9000名のランナーの参加した大規模市民マラソン大会「さいたまマラソン」(2024年2月開催)[2]の各給水所で排出された使用済みPETボトル飲料「ボトルtoボトル」を実施。使用済みPETボトルをキャップ・ラベル・ボトルに分別して回収して再原料化のプロセスへとつなげています。[3]

■ 水資源保全

私たちのビジネスにおいて水はとても重要な原材料です。当社が保有する全17工場では、自然の恵みである水をムダにすることがないよう、水使用量を厳しく管理し、工場設備や製造プロセスを常に見直すことで改善を図っています。また、自然に還す取り組みを進め、水源域の森林等が持続的に水を育み蓄える力を持ち続けていけるよう、地域、専門家の方々と協力して水資源保全に努めています。

【コカ・コーラシステムが考える水の循環】

私たちの工場では、「製造に使用する水」と「製品になる水」の大きく2つに分類し、適切に管理しています。自然の水循環のなかで、私たちの事業活動を持続可能なものとするためには、流域全体の健全性を維持・向上させることが重要であり、製造過程における水使用量の削減(Reduce リデュース)、工場における排水管理(Recycle リサイクル)、地域の水源の調査と保全(Replenish リプレニッシュ)を軸とした活動を展開しています。

全17工場の水源域では地元自治体や森林組合などと水源保全を目的とした協定を締結。2023年6月には丹波山村(山梨県)および八王子市(東京都)とそれぞれ協定を締結し、地域の方々や専門家と協力して、コカ・コーラ ボトラーズジャパン多摩工場(東京都東久留米市)周辺流域における持続可能な水資源の保全に取り組んでいるところです。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンならびに日本コカ・コーラは両自治体と連携した水源涵養活動を通じて2030年までの多摩工場の水源涵養率100%の達成を目指すほか、流域全体の健全化や生物多様性の保全にも取り組みます。[4]

【国が定める「自然共生サイト」に認定】

環境省は、2030年までの間に予想されている生物多様性の損失を止めて反転させる「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする「30by30目標」を掲げています。具体策の一つとして同省では2023年度より、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する取り組みを開始しました。

さらに2024年4月12日には、生物多様性保全に向けて企業などが策定した計画を国が認定する「生物多様性増進活動促進法」が国会で可決・成立。これによって上記の自然共生サイトが法制化され、認定企業の活動がより一層後押しされることとなりました。

当社えびの工場(宮崎県えびの市)の水源域として森林保全に取り組んでいるる「コカ・コーラ ボトラーズジャパン 水源の森えびの」が令和5年度後期の「自然共生サイト」に認定されました。[5]
30by30目標とも歩調を合わせ、水資源保全への取り組みを拡大していきたいと考えています。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン 水源の森えびの(東側上空より)

■ 温室効果ガス(GHG)排出量削減

2021年10月、コカ・コーラシステムは、日本国内のバリューチェーン全体におけるGHG排出量を減らすため、2030年までにスコープ1および2において50%、スコープ3において30%(いずれも2015年比)削減することを目指す目標を策定しました。

【サプライチェーン効率化によってGHG排出量を削減】

当社の自動物流センター「メガDC」(埼玉メガDC・明石メガDC)では、これまで各拠点で行っていた仕分けなどの物流業務を見直し、在庫保管スペースを集約するサプライチェーンの効率化を実施。調達部門や製造部門、販売部門など事業全体と連携してGHG排出量削減に取り組んでいます。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンがカバーする需要エリアを6つに分類し、各エリア内の生産工場で自給率を高める「地産地消モデル」も推進。このモデルの展開によってケースあたりの輸送距離が平均17%削減され、トラックの排気ガスに起因するCO₂排出量削減につながりました。

メガDC(自動物流センター):https://www.ccbji.co.jp/corporate/locations/mega-dc/

【再生可能エネルギー利用や原材料見直しも拡大】

白州工場(山梨県北杜市)では、山梨県と東京電力エナジーパートナー株式会社が共同で運営する電力供給ブランドやまなしパワーPlus「ふるさと水力プラン」の供給契約を締結し、水力発電による電力を使用。水力発電は発電時にCO₂を排出しない再生可能エネルギーであるため、CO₂排出量をゼロにすることができます。

他工場でも東京電力エナジーパートナーが提供する水力発電による電力のみを購入するプランの利用や、自然エネルギーにより発電された電気であることを第三者認証機関が認証するシステム「グリーン電力証書」を購入するなど、再生可能エネルギーの活用を進めています。

容器の原料を見直すことでGHG排出量削減につながる取り組みが、アルミ缶の水平リサイクル「CAN to CAN」[6]です。「CAN to CAN」は、当社が自動販売機横のリサイクルボックスから回収した使用済みアルミ缶を原材料としたリサイクルアルミ素材を容器に使用するという取り組みです。2022年12月より缶胴部分に「CAN to CAN」によるリサイクルアルミ素材を使用した3製品の製造を開始しました。2024年4月より、缶胴部分に加えキャップ部分にも100%リサイクルアルミ素材の使用を開始しました。これらの取り組みにより、アルミボトルの製造工程で発生するCO₂量の従来比約37%の削減※が可能となる見込みです。アルミ缶の水平リサイクル「CAN to CAN」により、国内におけるアルミ缶の循環利用の促進とCO₂排出量の削減に貢献してまいります。

※従来の400mlアルミボトルの製造工程で発生するCO₂量と比較した場合。アルテミラ株式会社(アルミボトル缶サプライヤー)調べ。

環境保全に向けたコカ・コーラ ボトラーズジャパンの取り組みを実りあるものにするためには、協業する行政や事業者などのパートナーはもちろん、生活者のみなさまからのご協力を得ることも欠かせません。

日々の暮らしの中で環境負荷の低い製品を選んでいただくことや、PETボトルを正しい回収方法に沿って分別していただくことなども地球環境を大切にする取り組みにつながっています。幅広い理解と共感を得られるよう、私たちはこれからも環境保全に真剣に取り組み、その成果を発信していきます。

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