2024年1月5日
当社は、水資源保全活動の一環として環境保護や環境教育に取り組むコカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクトを17の工場周辺流域で展開しています。
当社が事業活動を展開する地域の自治体の方々、森林組合や地域団体と連携し、さまざまなワークショップや教育プログラムを実施している「森に学ぼう」プロジェクト。その背景には、国内最大のコカ・コーラ ボトラーとして水源地域の保全に責任を持ち、より良い未来を実現していきたいという思いがあります。
この記事ではプロジェクトの目的や具体的なプログラム、そして2023年に新たに開始した取り組みについてもお伝えします。
「森に学ぼう」プロジェクトでは、社員をはじめ、社員の家族、地域社会の方々などに、森や生きものと触れ合う機会を提供しています。こうした機会を通じてともに学びたいと考えているのは、自然や水の重要性、人と自然のかかわり、そして環境保護に取り組む意義です。
国内最大のコカ・コーラ ボトラーである当社は、製造拠点として国内に17工場を展開し、飲料用として年間約40億リットル、製造工程では約130億リットルの水を使っています。事業活動に多量の水を使う飲料メーカーだからこそ、当社には水資源保全に本気で取り組む責任があると考え、各工場周辺流域で「森に学ぼう」プロジェクトを開催してきました。
水資源保全活動についての以前の記事でもご紹介したように、水資源を守るために最も大切なアクションは「森を守り、育てる」こと。
森を守ることと水資源を守ることは、切っても切れない関係にあります。なぜなら、大地に深く根を張った森の土壌は地下水を安定させ、水の循環を守る働きを持っているからです。森についての理解を深め、森の豊かな生態系や植生の保護に向けてアクションを起こすことは、水資源保護への第一歩だと言えます。
同時に当社は、全17工場の周辺流域の地域社会へ貢献することも重要だと捉えています。森を守って育てる活動は、地域社会の発展と調和する形で進めなければ真に持続可能な取り組みとはなり得ません。「森に学ぼう」プロジェクトは、地域社会との連携を通じて自然環境や地域の特性に対する理解を深め、ともに未来を築くためにあるのです。
「森を守り、育てる」ための具体的な活動として、当社は森林再生プロジェクトへ積極的に参加しています。森林の再生活動や植樹活動を通じて自然環境の維持・向上に取り組み、地域の生態系を本来あるべき形に回復させることが森を守るためには欠かせないからです。
この活動は当社だけではなし得ません。各地で森林組合などの専門家と正式な委託契約を結び、木々の樹種や年齢、生育状況に合わせた森林整備を行っています。
こうした本格的な森林保全などの水源涵養活動に加え、その地域住民の方々との関わりを深め、地域社会の発展に寄与していくために立ち上げたのが「森に学ぼう」プロジェクトでした。
プロジェクトでは地域社会向けの教育プログラムやワークショップを開催し、参加者には森林環境やサスティナビリティーに関する知識を深めるとともに、地域の特性や課題にも意識を向けていただけるように努めています。実際に植林に挑戦したり、森の健康を保つための間伐や丸太切りを体験したり、木工教室で作品作りに取り組んだり。こうした活動を通じて、当社のメンバーもまた森への理解を深めてきました。
また、水を蓄える機能を持つことはもちろん、動植物の生息・生育地としても森林は大切な役割を担っています。「森に学ぼう」プロジェクトを通じてこうした知識を学び、生物多様性についても理解を含めています。
新型コロナウイルス禍においては、全国的にイベント開催が制限されることとなり、「森に学ぼう」プロジェクトも例外ではありませんでした。各地域からの要望を受け、感染防止対策を講じながら地域を限定して部分的に取り組みを再開。2023年からは全国で本格的に活動を再開しています。
2023年には新たにふたつの地域でプロジェクトを開始することもできました。そのひとつは山梨県の白州工場の水源域で行った「森に学ぼう」プロジェクトin山梨 はくしゅう(11月25日)です。
2020年、当社は山梨県と「育水の推進等に向けた森林の保全等に関する連携協定」を締結しました。山梨県では「育水」(健全な水循環を保全する取り組み)の推進や情報発信に力を入れています。当社はこの方針に共感・賛同し、白州工場の水源域である雨乞岳を頂上とする流川・加久保沢川流域の県有林の区域「コカ・コーラ ボトラーズジャパン水源の森 はくしゅう」(282ヘクタール)を活動エリアとして、間伐や獣害防除、森林作業道の整備などを支援することとなりました。
2023年11月25日に開催した「森に学ぼう」プロジェクトin山梨はくしゅうは、「い・ろ・は・す水源保全プロジェクト活動」の一環として、北杜市・峡北森林組合に保全して頂いている白州工場に隣接する山林を会場として実施しました。当日は、白州工場社員および、その家族をはじめ、関係者含め約40名が参加。山梨県中北林務環境事務所の専門家より指導を受け、間伐や山林の環境整備、枝打ちなどを体験していただき、自然の役割や環境保全について、「体験」を通して学んでいただきました。
今後もさらに山梨県や北杜市との連携を深め、「育水」の推進や情報発信を通じて同県の水・森林資源の保全に寄与していきたいと考えています。
前記に加え、2023年は埼玉工場がある埼玉県吉見町においても「森に学ぼう」プロジェクトin埼玉よしみ(12月16日)を初めて開催することができました。
埼玉県吉見町とは、2022年に同町の地域活性化を図ることを目的とした「包括連携に関する協定」を締結。この協定に基づき、当社と吉見町はSDGs推進や防犯・防災、健康・スポーツなど、多岐にわたる分野で連携しています。
連携第一弾としては、使用済みPETボトルを新たなPETボトルに再生する「ボトルtoボトル」事業において協働。吉見町内の集積所で回収された使用済みPETボトルは、粉砕・洗浄などの工程を経て再原料化されます。本事業によって再生されたPET原料は、吉見町に所在する「コカ・コーラ ボトラーズジャパン埼玉工場」をはじめ、当社の各工場でコカ・コーラ社製品の容器として使われています。また、「リサイクルの日」にあたる2023年10月20日には、日本コカ・コーラ社とも連携して吉身町で国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup : ICC)清掃活動も実施しました。
こうした多岐にわたる連携・協働の一環として、「森に学ぼう」プロジェクトin埼玉 よしみを初めて開催することになったのです。当日は、住民のみなさまや社員、吉見町役場、関係者を含め総勢100名が八丁湖周辺の会場に集まり、生き物が住み続けるための環境を整える環境保全体験や自然観測会などの体験を通して、楽しみながら自然の役割や環境保全について学んでいただきました。
【2023年に開催したその他の地域】
「森に学ぼう」プロジェクトin兵庫 たんばささやま(11月18日)
「森に学ぼう」プロジェクトin東京 ひがしくるめ(4月22日)
「森に学ぼう」プロジェクトin宮城 ざおう(6月17日)
「森に学ぼう」プロジェクトin茨城 いしおか(10月7日)
「森に学ぼう」プロジェクトin神奈川 あつぎ(11月11日)
「森に学ぼう」プロジェクトin岐阜 なかのほう(5月27日)
「森に学ぼう」プロジェクトin鳥取 ほうき(11月12日)
「森に学ぼう」プロジェクトin広島 みはら(11月4日)
「森に学ぼう」プロジェクトin熊本 あそ(6月10日)
「森に学ぼう」プロジェクトin宮崎 えびの(4月22日)
当社はこれからも、各地で「森に学ぼう」プロジェクトを展開していきます。この活動を通じてたくさんの方々と出会い、ともに学び合うことが、地域社会のより良い未来につながると信じています。