コーポレートブログ

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逆境からのパリ2024オリンピック——ラグビー男子セブンズ日本代表・津岡翔太郎選手の挑戦

2024年5月14日

2023年11月、大阪・ヨドコウ桜スタジアムで開催された男女7人制ラグビーアジア予選に優勝し、見事パリ2024オリンピックへの出場を決めたラグビー男子セブンズ日本代表。チームを牽引する津岡翔太郎選手は、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会に所属し選手活動に専念するとともに、コカ・コーラ ボトラーズジャパンカンパニーアンバサダー[1]としても活動しています。

世界の頂点を目指してトレーニングを重ね、パリ2024オリンピックを目前に控える今、「これまでの人生で一番ワクワクしている」と話します。目標達成に向けてブレることなく前進してきたこれまでと、「コカ・コーラ」ブランドを背負って戦う思いについて津岡選手に聞きました。

「指示ではなく問いかけを」。良きチームであるためのコミュニケーション

花園の常連校である佐賀県立佐賀工業高校から、強豪・帝京大学へ進み、卒業後は15人制の選手として活躍してきた津岡選手。7人制(以下、セブンズ)に専念してからは、新たなプレースタイルに自らを適応させるべくトレーニングを重ねてきました。

セブンズの魅力について津岡選手は「試合そのもののスピード感」と話します。

「15人制と比べセブンズは『シンプルで派手』と言えるほどプレー時間が短いので、観戦しやすくより没頭できるという特徴があります。

15人制が映画だとすると、セブンズは短編ドラマですね。通常の試合は7分ハーフ、前後半合わせて14分というスピード決戦です。一方、コートの面積は15人制と同じであり、選手としては休む時間がまったくない競技であるため、以前よりも走力や瞬発力のトレーニングに重点を置くようになり、体作りでも大幅に減量しています」

選手一人ひとりの役割が、ポジションごとにある程度固定化されている15人制と比べて、セブンズではそれぞれがカバーする範囲が広く、1人で多くの役割をこなさなければならないという特徴も。

「誰か1人が少しでも気を抜くと、そこが穴になって負けることもあります。みんなでサポートし合わないと足が止まってしまう。だからチームの緊張感や選手同士の声のかけ方も独特です。自分たちで瞬間的に考え判断しなければならないのはハードですが、それが面白さになる競技です」

そんな津岡選手も、日本代表チームの中では今や中堅どころ。「リーダーシップを取るのは得意ではない」と謙遜しつつも、若い選手が楽しくプレーし、力を発揮できる雰囲気づくりには心を砕いているといいます。

「後輩選手たちには『〜したほうがいいよ』と意見を押し付けるのではなく、『どう思う?』と考えを聞くようにしています。プレーを改善する上では、経験ある選手から指示を出したほうが早いのかもしれません。だけど、僕が引退した後も日本代表には強くなり続けてほしいし、何より自分自身も、先輩から問いかけられることで成長してきたと感じているんです」

人に言われて動くのではなく、自分で考え導いた答えをプレーに昇華させることこそがチームを強くする——。そんな実体験があるからこそ、津岡選手は若手選手への問いかけを続けています。

東京2020オリンピックの挫折を経て、人生最大の舞台へ

東京2020オリンピックにも、男子セブンズ日本代表は日の丸を背負って出場しました。しかし津岡選手自身はこの大会に、本登録選手ではなくバックアップメンバーとして参加しています。

「当時の僕は『絶対に代表に選ばれるはず』と自信を持っていたんです。しかし結果はバックアップメンバーで、とても悔しい思いをしました。ただ、あのときもし選ばれていたら、その後セブンズを続けていなかったかもしれません」

東京2020オリンピックを最大の目標として見定め、選手生活の集大成にしようと考えていた津岡選手。代表に落選するという挫折を経験したからこそ、「次のパリ2024オリンピックを目指す」という新たな目標をセットし、再び歩み始めました。

その後の2021〜2022シーズンは「選手として大きく成長できた」と手応えを感じましたが、続く2022〜2023シーズンは大きなけがが重なり、「満足のいくパフォーマンスはできていない」といいます。パリ2024オリンピックの出場権を獲得した喜びはあるものの、予選の各試合に万全の状態で参加できなかったことなど、自分への悔しさが入り混じる複雑な心境で2022〜2023シーズンを終えることになりました。

「ここからは、コンディションもメンタルも上げていくだけ。改めてアスリート人生最大の目標と位置づけているパリ2024オリンピックで最高のパフォーマンスを発揮できるよう準備を進めていきたいと考えています」

挫折を味わっても再び立ち上がり、次の目標に向けてまい進する。その津岡選手の強さはどこからやって来るのでしょうか。

「周囲から高い評価を得られていても、自分で自分を信じられなくなるタイミングが何度もありました。けがをして落ち込んでいるときや、けがからの復帰後になかなかパフォーマンスを取り戻せないときもそう。自分を信じられているときは積極的にボールを呼び込むことができるけど、逆のときにはプレーも消極的になってしまいます。

そんなときには、余計なことは考えずに、自分が正しいと信じることだけをやり続けました。悪いときは考えれば考えるほどマイナスの方向へ行ってしまいますから。自分の現状が人より遅れていると思うなら、何も考えずに、みんなが寝ている時間に一人練習する。そうやって乗り越えてきました」

パリ2024オリンピックを目前に控える今、津岡選手はどんな心境なのでしょうか。

「これまでのアスリート人生で一番ワクワクしていますね。たくさんの人にパリ2024オリンピックで戦う姿を見せたい。勝利の喜びを届けることはもちろん、一つひとつの全力プレーで誰かに感動や活力を届けられたらと思っています」

「コカ・コーラ」が目指す世界とつながっている「夢」

当社のアンバサダーでもある津岡選手。その理由を「まだ恩返しができていないから」と語ります。

「かつて、レッドスパークスの選手としてラグビー採用枠で入社したとき、僕は大学時代の大きなけがが完治していなくて、ラグビーができるかどうかさえ分からない状態でした。それでも採用担当の方は『ラグビーだけじゃない、津岡さんの人間性を評価したんです』といって予定通り迎え入れてくれました。

また、コカ・コーラ ボトラーズジャパンのみなさんはスポーツの可能性を信じて、いつも応援してくれています。東京2020オリンピック競技大会に出場できなかったときも、『セブンズを続けたい』と申し出た僕のサポートを継続したいと言ってくれました。だからこそ僕は成果を出さなければいけないと思っています。パリ2024オリンピックまでの道のりや、大会での成果で、会社のみなさんに恩返しをしたいんです」

パリ2024オリンピック競技大会以降の選手としての目標は「まだ何も考えていない」と話す津岡選手。しかし、経験を生かして成し遂げたい「夢」があるといいます。

「これからの日本や世界を作っていくのは若い世代。その一人ひとりが、自分の住んでいる国や社会を『いいな』と思えるような世の中にしていきたいです。そしていろんな挫折を経て自身が成長してきたように、スポーツに限らず大きな目標を持って輝いてほしいと伝えたいです。この思いは、『コカ・コーラ』が目指す世界ともつながっているはずだと信じています」

コカ・コーラ社はオリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーです。

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