水処理からボトル成形、充填…すべてのプロセスで守り抜く コカ・コーラ ボトラーズジャパングループの「品質」
おいしくて安全・安心な製品が、お客さまのもとへきちんと届けられるように。当社グループでは数々の工程によって品質を守り、独自の味わいへと仕上げています。水を磨くことからはじまる私たちの製品づくりについて、「綾鷹」を例にご紹介します。
おいしさを左右するのが「水」
純粋にするために多様な工程で水を磨きます
「綾鷹」づくりは、まず「水を磨く」という工程からスタートします。水処理は原水にさまざまな処理を行った後、特殊なフィルターを通すことによって、純粋に精製します。私が担当しているのはこの工程です。特に水は目で見ただけではわからないため、詳細な成分分析が重要です。24時間のモニタリングはもちろん、製造中に何度も成分測定をしながら、人と機械の2つの“目”で厳しい品質管理を行なっています。水質は天候などの影響でも大きく変わることがあるため、細かな調整を行わなければなりません。
茶葉を均等に撒くことで急須でいれたような緑茶の味わいを出しています
「磨かれた水は抽出機に運ばれ、お茶づくりがはじまります。「綾鷹」は“急須でいれたようなにごりのある本物の味わい”を目指して開発されましたが、その表現通り、急須でいれたような独自の製法を採用しています。具体的には、タンクに茶葉を投入し、低音のお湯で茶葉をかきまわさずにじっくり丁寧に抽出するという製法ですが、この茶葉を投入する作業が大変難しいのです。均等に撒かないと旨みに変化が起き、味わいを損なうこともあります。こうしてできた抽出液はタンクへ移されます。
規格通りのPETボトルをつくるために、安全性と品質の両面から取り組んでいます
PETボトルは、試験管のようなプリフォームという素材を加熱し、ボトルを成形する金型に入れて高圧な空気をかけて膨らませ完成させます。この圧力がうまくかからないと容器の厚みにばらつきが生じ、へこみや崩れを招く原因にもなります。そのため、ボトルの種類ごとに加圧設定を行い、適正なボトルができるよう調整しています。この工程は温度の影響を受けやすく、扱いが繊細であり、金型によって熱の伝わり方が変わるため、非常に調整が難しいのです。ボトルの形が少しでも変わると品質にも影響するため、他の工程担当者と連携しながら、安全で確かなボトルづくりの方法を常に模索しています。
ボトル、お茶、キャップすべてを殺菌して無菌状態で充填しています
完成したお茶をPETボトルに詰める工程を充填といいます。ボトルにお茶が入る前に、ボトルとキャップの殺菌洗浄、製品液(お茶)そのものの殺菌という工程を経て、充填を行います。充填は人が立ち入れない無菌環境で機械によって行いますが、無菌が維持されていることを確認するため、定期的にチェックリストによる衛生状態の確認を行なっています。また、24時間体制で製造状況の確認を行い、さらに製品中の製品抜き取り検査によって異常がないかを確認します。充填は製品の安全性を最も担う工程だけに、機械に頼るだけでなく、自分の目で判断することの責任を感じながら、管理に携わっています。
最後の検査機関としてお客さまの目でチェックすることを大切にしています
PETボトルにお茶が充填されると、いよいよ最終の仕上げです。ボトルのラベル巻きつけ、賞味期限の印字、製品液(お茶)が適正に入っているかなどを検査・確認するのが私が請け負うセクションです。ラベルの位置やキャップの巻き締め具合などをまずは機械が判別し、検査機が排斥した製品については、人がさらに確認します。ほんのわずかなラベルのずれや、お茶の表面位置の違いなどによって、お客さまにとって予期せぬ不具合が生じる場合もあります。最後の確認は、お客さまの立場になって見ることが重要だと気持ちを引き締めています。
ミスは許されないという使命感で工程を見ています
品質管理は全行程のチェック機関です。水質検査をはじめ、製品液(お茶)と容器の製造前には事前に検査を行った後に製造を開始するなど、入念なプロセスを踏んでいます。製造中も、ボトル成形なら一定時間ごとに高さ・重さ・容量・強度・厚みなどの項目測定を行い、数値をコンピュータに取り込んで基準を満たしているかを確認します。より高品質な製品をお客さまにお届けするのが私の使命だと受け止め、日々業務に励んでいます。品質管理の仕事であるにも関わらず製造課に所属していますが、それは現場を知るための方針です。製造現場を知ると、新しい視点で品質管理担当のあり方を考えられるため、さまざまな発見があります。この品質管理と製造の融合によって、新たな「安全・安心」を生み出していきます。