- 200% 水源涵養率。工場近辺の水源、流域に注力
- 30% 水使用量削減(2030年までに)
私たちの取り組み
容器/PET
水
温室効果ガス排出量
再生可能エネルギー
※サスティナブル素材:ボトルtoボトルによるリサイクルPET素材と植物由来PET素材の合計
ザ コカ・コーラ カンパニーは2018年に環境負荷軽減のため、「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現をグローバル目標として掲げました。これを達成するために日本のコカ・コーラシステムは、同年1月に「容器の2030年ビジョン」を設定し、2019年7月にはこれを更新して従来の目標達成を前倒しする新たな目標を発表しました。 日本のコカ・コーラシステムでは、グローバル目標に基づき、容器由来の廃棄物の問題解決のため、「設計」「回収」「パートナー」の3つの柱からなる活動に取り組んでいます。
日本のコカ・コーラシステムは、「ボトルtoボトル」の推進などを通じ、2030年までにすべてのPETボトルを100%サスティナブル素材に切り替えることなどを骨子とした「容器の2030年ビジョン」の実現に取り組んでいます。
容器の原料や形状を
サスティナブルなものにしていくこと
「ボトルtoボトル」リサイクルの推進
販売した自社製品と
同等量の容器を回収&リサイクル
政府、自治体、飲料業界、地域社会との
協働を通じ、より着実な容器回収・
リサイクルスキームの構築と維持
日本のコカ·コーラシステムは、2025年までにすべてのPETボトル製品へのリサイクルPET樹脂などのサスティナブル素材の使用、2030年までに販売した自社製品と同等量のPETボトルの回収、パートナーとの協働による着実な容器回収・リサイクルスキームの構築など、日本のコカ・コーラシステム独自の目標「容器の2030年ビジョン」を設定し、活動を順調に進めています。
コカ・コーラ社がグローバルで掲げている「廃棄物ゼロ社会(World Without Waste)」を実現するべく、使用済みのPETボトルを製品のPETボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」リサイクル活動に取り組んでいます。この「ボトルtoボトル」リサイクルは、環境負荷の少ないPETボトルの製造が可能です。
「コカ・コーラ」をはじめとする旗艦製品 (4ブランド38製品※2)に100%リサイクルPETボトルを導入しています。
このボトルは使用済みPETボトルを回収し、新たにPETボトルとして再生する「ボトルtoボトル」で、資源を最大限活用しています。
「ボトルtoボトル」の取り組み以外にも、コカ・コーラシステムは、国内で販売している80%以上のPETボトル製品(販売本数ベース)にサスティナブル素材を使用するなどのさまざまな取り組みを通じて、全体で年間約26,000トンの温室効果ガス(GHG)排出量と、約29,000トンの新たな石油由来原料からつくられるプラスチック量の削減を実現する見込み※3です。
※1 サスティナブル素材:「ボトルtoボトル」によるリサイクルPET素材と、植物由来PET素材の合計
※2 2023年12月現在の日本のコカ・コーラシステム実績
※3 対象製品合計、2021年出荷実績に基づく2022年販売予測当社試算
※一般的なペットボトルから100%リサイクルペット素材に切り替えた場合。
日本のコカ・コーラシステムは、「ボトルtoボトル」を推進し、「容器の2030年ビジョン」において、2030年までにリサイクルPET樹脂または植物由来PET樹脂を使用したPETボトルの割合を100%にする目標を定めています。国内で販売している80%以上のPETボトル製品(販売本数ベース)にサスティナブル素材※1を使用しています。「い・ろ・は・す 天然水」に100%リサイクルPETボトルを導入したことで、理想とする「廃棄物ゼロ社会」実現に向けて、大きく前進しました。
これまでの「い・ろ・は・す 天然水」は、ボトルの30%にリサイクルPET素材を使用していました。2020年3月には、パートナー企業の協力や、従来のリサイクルPET素材のボトルより透明度を高めるという難易度の高い技術を実現することで、ボトルの量産が可能となり、リサイクルPET素材を100%用いた、“100%リサイクルPETボトル”の「い・ろ・は・す 天然水」を国内最大規模※2で導入することを実現しました。
※1 サスティナブル素材:「ボトルtoボトル」によるリサイクルPET素材と、植物由来PET素材の合計
※2「い・ろ・は・す 天然水」の従来品555mlとの比較
2020年4月に発売した「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」は、ラベルをなくすことにより、ラベルをはがす手間がなくなり、ゴミの分別も楽にすることができる製品です。容器には100%リサイクルPETボトルを採用し、環境に配慮した製品になっています。本製品は、ケース販売のみ(オンライン販売等)となっており、通常ラベルに記載している原材料名などの法定表示は外装ダンボールに記載することによりラベルレスボトルの販売が可能となりました。
さらにこのたび、2020年4月の「資源有効利用促進法」の省令一部改正に伴い、ラベルシールへの識別マーク表示を省略した“完全ラベルレス製品”を実現しました。省令改正は、廃棄物の削減(リユース)の促進、消費者のみなさまが識別マークを表示したラベルシールなどをはがし分別する手間を省くことを目的としており、より簡単で、楽に使用済みPETボトルをリサイクルに適した状態で資源回収に出すことができます。
2020年4月に発売した「い・ろ・は・す」を皮切りに、2023年12月現在で「コカ・コーラ」「アクエリアス」「綾鷹」「カナダドライ」「ジョージア」「からだすこやか茶」「爽健美茶」の8ブランド59製品に展開しています。
コカ・コーラシステムでは、1970年代より有限資源の有効利用とプラスチック使用量削減のため、製品の容器包装軽量化に取り組んでいます。代表製品には、い・ろ・は・すの「ecoるボトルしぼる」や、つぶしやすさと注ぎやすさを両立した「ペコらくボトル」などの設計開発が挙げられます。さらに、私たちは製品1本あたりのPET樹脂の使用量を2030年までに2004年比で35%削減を目指しています。
2021年「コカ・コーラ」700ml PETボトルを従来の42gから27gに軽量化、また、2022年4月、「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」100%リサイクルPETボトル350mlは、従来の同サイズのラベルレスPETボトルと比較して2gの軽量化(容器重量21g)を実現しています。その他、「ジョージア ジャパン クラフトマン」500ml PETボトルは従来の19.5gから17gへ、「コスタコーヒー」265ml PETボトルは従来の29.5gから18.5gへというように軽量化に向けて取り組んでいます。
※2010年以前、水の容器は500ml
※缶重量は、缶胴と缶蓋の重量で算出
コカ・コーラシステムでは、世界最軽量化※を実現した185gアルミ飲料缶を使用した「ジョージア」缶製品の製造を、2024年8月より当社茨城工場、埼玉工場で開始いたしました。
従来製品の185gアルミ缶より、1缶当たり13%の資材使用量を削減し、缶胴部の重量は7.0 gから6.1 gとなりました。日本のコカ・コーラシステムが掲げる、容器の軽量化を通じた省資源化により、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
※ 東洋製罐株式会社調べ。2024年8月時点。190mlの202径SOT(ステイオンタブ)缶の空缶として。(空缶には缶胴におけるラミネートフィルムおよび缶蓋の重量は含まず)
コカ・コーラシステムでは、「サスティナブル・パッケージ(持続可能な容器)」の開発、導入を進めています。飲んだあとにしぼりやすい「ecoるボトル しぼる」などの導入により、環境負荷低減と省エネの両立を図っています。
環境配慮型資材の導入・活用を推進しています。
紙製のカップやストローの使用を促進するとともに、今まではプラスチック製のみの取り扱いであったリッド(蓋)において、紙製のリッドを新たに導入しました。紙製資材の使用を促進させることでプラスチック使用量の削減に取り組んでいます。
当社で扱う環境配慮型素材の一例
「CAN to CAN」は、当社が自動販売機横のリサイクルボックスから回収した使用済みアルミ缶を原料としたリサイクルアルミ素材を容器に使用するという取り組みです。2022年12月より、缶胴部分に限って「CAN to CAN」によるリサイクルアルミ素材を使用した「ジョージア 香るブラック」 400ml、「ジョージア 香る微糖」370ml、「ボナクア(軟水)」400mlの3製品の製造を開始しました。
2024年4月より、開栓性能、密封性能などの機能は従来の規格のまま、缶胴部分に加え、キャップ部分にも100%リサイクルアルミ素材の使用を開始しました。これにより、1缶あたり約25%だったCO₂排出削減量が、約12%向上し、約37%の削減※1となり、環境負荷軽減に貢献します。
※1 従来の400mlアルミボトルの製造工程で発生するCO₂量と比較した場合。アルテミラ株式会社(アルミボトル缶サプライヤー)調べ
2020年7月、世界最大級のPET樹脂およびポリエステル繊維のメーカーである台湾の遠東新世紀株式会社とケミカルリサイクルによる再生PET原料を使用したPETボトルの製品化に向けた共同プロジェクトを開始しました。本プロジェクトでは、当社一部販売エリアにおいて年内を目途に再生PET原料を使用したPETボトル製品の試験販売を目指し、数年後の商業化を視野に入れています。
台湾の遠東新世紀株式会社のケミカルリサイクルプロセスにより、使用済みラベル・廃ラベル(※)から再生したPET樹脂を一部原料としたシュリンクラベルを株式会社フジシール、東洋紡株式会社と共同開発しました。本ラベルを装着するPETボトル製品の試験販売にも取り組んでいます。(※シュリンクラベルの製造過程で排出されるラベル)
2030年までに、日本国内で販売した自社製品と同等量のPETボトルを回収することを目指します。
当社は、各自治体と協働し、PETボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」の取り組みを推進しています。
コカ・コーラシステムが目指す「容器の2030年ビジョン」において着実な容器回収・リサイクルスキームの構築などを通じて、市民・事業者・行政の三者が一体となり、日本国内におけるPETボトルの循環利用への貢献を目指します。
2023年7月、愛知県東海市とPETボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」の実施を目的とした「ペットボトル資源循環リサイクルに関する事業連携協定」を締結しました。
2023年3月、兵庫県市とPETボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」の実施を目的とした「ペットボトル資源循環リサイクルに関する事業連携協定」を締結しました。
2023年2月、静岡県沼津市とPETボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」の実施を目的とした「ペットボトル資源循環リサイクルに関する事業連携協定」を締結しました。
2023年4月、愛知県・三重県のドラッグストア「スギ薬局」6店舗の店頭で回収された使用済みPETボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」を開始しました。
回収されたPETボトルは再原料化のち、当社製品の容器に使われます。
今後は回収店舗数を順次拡大し、日本国内におけるさらなるPETボトルの循環利用への貢献を目指してまいります。
2022年6月、三菱地所株式会社と協業し、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)のオフィスビルで回収した使用済みPETボトルを新たなPETボトル製品に再生する「Bottle to Bottle(B to B)リサイクルサーキュレーション」を構築しました。
丸の内エリアの三菱地所所有・管理ビル(9棟)で回収される使用済みPETボトルの「ボトルtoボトル」に取り組み、また、当社自動販売機とリサイクルボックスを活用し、テナント就業者に対して、使用済みPETボトルの適切な分別回収の啓発に取り組んでいます。
2019年6月から販売している株式会社セブン&アイ・ホールディングスと日本コカ・コーラによる共同企画商品「一(はじめ)」シリーズは、セブン&アイグループの店頭で回収された使用済みPETボトルをリサイクルしたPET樹脂のみを100%使用した「完全循環型PETボトル」を採用しています。 完全循環型ペットボトルへの切り替えにより、CO₂排出量を削減することを実現しました。
※製品画像は2023年8月現在
私たちは、一般社団法人全国清涼飲料連合会(以下全清飲)が2018年に発表した、2030年度までにPETボトルの100%有効利用を目指す「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」に賛同し、業界との協働の取り組みを進めています。
また、全清飲は、2021年4月に「2030年ボトルtoボトル比率50%宣言」を発表しました。これは清涼飲料業界として循環型社会への貢献とCO₂を含む環境負荷低減に向け、使用済みPETボトルを何度もPETボトルに循環させる「ボトルtoボトル水平リサイクル」によって、リサイクル樹脂の使用比率を2030年までに50%以上に引き上げることを目指すものです。
私たちは、日本のコカ・コーラシステムが掲げる「容器の2030年ビジョン」に基づき、これからも清涼飲料業界と連携した「ボトルtoボトル」の推進に努めます。
自動販売機横のリサイクルボックスの理解促進、異物購入率の低減に向け、会員である日本自動販売協会で推進する業界統一の啓発ステッカーを、首都圏、中部圏、近畿において約9万枚(CCBJI)貼付し、容器以外の異物を投入しないよう呼び掛けています。
2020年、東京都と設立した「ボトルtoボトル東京プロジェクト」では消費者の分別に対する行動変革やリサイクルボックスへの異物混入防止の実証実験などを実施しています。
新デザイン・リサイクルボックス
(下向き投入口式)
政府や自治体、飲料業界、地域社会との協働を通して、より着実な容器回収・リサイクルスキームの構築と、その維持に取り組みます。
私たちは、パートナーと協働し、各地域の清掃活動を通じて「容器の2030年ビジョン」の達成を目指すほか、各工場周辺流域の健全性向上を目的に、河川や海での清掃活動にも取り組んでいます。
当社を含む日本のコカ・コーラシステムは、グローバルビジョン「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現に向けた活動の一環として、2007年から「国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup: ICC)」(※)に参加しています。
2023年は、埼玉工場の周辺流域にあたる埼玉県吉見町にて、カリン社長をはじめ日本コカ・コーラや吉見町役場、NPO法人グリーンバードやファミリーマート様を含めた総勢100名が参加、廃棄物ゼロ社会の実現に向けてワンチームとして取り組みました。
※国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup: ICC)とは、海洋生物に関する環境教育センターとして設立された、全米一の海洋自然保護団体主催で始まった世界最大規模の海岸クリーンアップです。世界中、共通の方法で海洋ごみのデータを促進し、世界のごみ問題解決に活用されることが特徴です。
梅田川清掃(宮城)、グリーンバードと協働開催(東京他)、ビーチクリーンアップinSUMA(兵庫)、ごみゼロ・クリーンウォーク広島(広島)、大山一斉清掃(鳥取)、妙の谷川清掃ボランティア活動(愛媛)、ラブアース・クリーンアップ(福岡)、しらかわの日 流域一斉清掃(熊本)
2020年2月、日本財団と日本コカ・コーラは昨年5月に発表した、海洋ごみ対策とプラスチック資源の適切な回収及び循環利用促進を目指した「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」について報告しました。発生原因は大きく「投棄・ぽい捨て系」「漏洩系」の2つに大別されたことがわかりました。今後の取り組みとして、飲料空容器の「漏洩」が発生していることが確認された自動販売機横の空容器回収ボックスからの漏洩対策については、コカ・コーラシステムとしても最優先で取り組みます。
製品のライフサイクルの各プロセスで発生する排出物は可能な限り回収やリサイクルを行い、環境負荷の低減を図っています。製造にともない発生する廃棄物の削減や在庫コントロールによる製品廃棄ロスの削減、空容器リサイクル率の向上、環境に優しい容器の採用など、さまざまなチャレンジを進めて持続可能な社会の発展に貢献します。
製造にともない発生する廃棄物の分別・リサイクルをすべての工場で推進し、継続してゼロエミッションを目指しています。発生量の大部分を占めるコーヒーかす(リサイクル率100%)、茶かす(リサイクル率100%)を、肥料や飼料として再資源化しています。
例えば蔵王工場で製造している「爽健美茶」の工程で排出された茶かすは、蔵王酪農センターのナチュラルチーズ製造過程で出た乳清などを混合し、「蔵王爽清牛」の飼料(エコフィード※)として生まれ変わっています。東海工場でも産官学共同で、コーヒーかす、茶かすの有効活用に関する研究を進めています。
※食品残渣(ざんさ)を利用した家畜の飼料のこと。
飼料自給率向上の観点から農林水産省が積極的に推進している。
老朽化した自動販売機は再資源化しています。
処理施設などにて、老朽化した自動販売機の解体・分別を行い、フロンガスの適正な回収を実施しています。
水は、私たちの製品の多くに含まれる最初の成分であると同時に、私たちの事業の持続可能性や地域社会の衛生にとっても中心的な役割を担うものです。2021年3月、コカ・コーラは2030年に向けた新たな水資源保全戦略のグローバルフレームワークを発表しました。新たな戦略においては、地域の水源涵養、より厳格なポリシーの提唱、事業と地域社会における責任ある水の利用などを通じ、持続可能な水資源の保全に力点を置いています。
ザ コカ・コーラ カンパニーはすべてのバリューチェーンに目を向け、個々の生産拠点での涵養率100%達成を目指し、温暖化の影響により洪水や干ばつが起こり始めている流域の地域社会を支援するなど、人々と生態系により大きな影響を与えることに焦点を移しています。すべての工場の水源と流域における100%以上の水源涵養率を目指し、地域ごとの実情に合わせた多様な手法で涵養活動を強化します。
私たちは、かけがえのない「水」を使用しビジネスを行う企業として、「2030年までに水使用量30%削減」および「2025年まで水源涵養率200%維持」の目標を掲げて水資源保全を推進しています。
工場では自然の恵みである水をムダにすることがないように、製品を製造するために使う水の量を厳しく管理し、製造プロセスや工場設備を常に見直し改善につなげ、製品1Lを製造する際に使用する水(WUR:Water Use Ratio)の削減目標を設定しています。また、製品の製造に使用した水と同等量の水を自然に還す取り組みを進め、水源エリアで持続的に水を育み蓄える力を持ち続けていけるよう、地域、専門家の方々と協力して水資源保全に努めています。
コカ・コーラシステムでは、工場で使用する源水を保全するために日本コカ・コーラが定める源水保全ガイドラインに沿って定期的に源水の脆弱性を評価し、源水保全計画を策定しています。そして同計画のもと、製造過程における水使用量の削減(Reduce)、製造過程で使用する水の再利用(Recycle)、水源域の水源涵養*(Replenish)を軸とした活動を展開しています。
私たちの工場では、「製造に使用した水」と「製品に使用した水」の大きく2つに分類しています。「製造に使用した水」は、製造工程において洗浄水や冷却水として使用した後に回収・処理を行い、循環利用します。その後、適正に処理した上で河川へ放流します。一方「製品に使用した水」は、植林、間伐、水田湛水、草原再生といった水源の保全活動を通じて水源涵養の能力を高め、豊富な地下水を育むことで自然へ還元しています。
*水源涵養:森林保全などを通じて、水源林の浸透機能を高めることにより、製品に使用した水量を自然に還元する取り組み
※2023年末現在
工場では、最新技術を備えた製造ラインの導入、モニタリングによる製造プロセスや工場設備の改善を日々行い、使用する水の量の削減や使用した水の再利用に取り組んでいます。
工場で製品を製造する際に使用した水と同等量の水を自然に還元することを目的として、地域や自治体と協定を締結し、地域のみなさまとともに工場周辺流域が持続的に水を育み蓄える力「水源涵養力」を高める活動を推進しています。
この活動によって育まれた「水」は、長い年月を経て地下水となり、河川を通じて工場へ届き、製品の製造に使用する「水」として使用されます。
製造工場 | 協定水源地域 | 協定先 |
---|---|---|
蔵王工場 | 宮城県蔵王町 | 蔵王町、白石蔵王森林組合、円田生産森林組合 |
埼玉工場/岩槻工場 | 群馬県利根郡片品村 | 日本製紙株式会社、丸沼高原リゾート |
茨城工場 | 茨城県石岡市 | 石岡市、つくばね森林組合 |
多摩工場 | 東京都東久留米市 | 東京都、一般社団法人地域パートナーシップ支援センター |
東京都八王子市 | 八王子市 | |
山梨県丹波山村 | 丹波山村 | |
海老名工場 | 神奈川県厚木市 | 神奈川県、厚木市、厚木市森林組合、神奈川県県央地域県政総合センター、 神奈川県相模川左岸土地改良区 |
白州工場 | 山梨県北杜市 | 山梨県 |
東海工場 | 岐阜県恵那市 | 岐阜県、恵那市、中野方地域協議会、坂折棚田保存会 |
京都工場 | 京都府綴喜郡宇治田原町 | 公益社団法人京都モデルフォレスト協会、宇治田原町、京都府、 立川生産森林組合、宇治田原町森林組合 |
明石工場 | 兵庫県丹波篠山市 | 兵庫県、公益社団法人兵庫県緑化推進協会、丹波篠山市、 丹波篠山市畑財産区、公益財団法人兵庫丹波の森協会、ひょうご森林林業協働組合連合会 |
大山工場 | 鳥取県西伯郡伯耆町 | 鳥取県、伯耆町、鳥取日野森林組合、金屋谷地区 |
広島工場 | 広島県三原市 | 広島県、三原市、尾三地方森林組合 |
小松工場 | 愛媛県西条市 | いしづち森林組合 |
鳥栖工場/基山工場 | 佐賀県鳥栖市 | 九州森林管理局 |
佐賀県、鳥栖市、佐賀東部森林組合 | ||
佐賀県三養基郡基山町 | 佐賀県、基山町、佐賀東部森林組合 | |
熊本工場 | 熊本県阿蘇市 | 阿蘇市、公益財団法人阿蘇グリーンストック、水循環型営農推進協議会 |
えびの工場 | 宮崎県えびの市 | 宮崎県、西諸地区森林組合、麓共有林 |
2023年7月31日、当社と日本コカ・コーラ株式会社は、多摩工場(東京都東久留米市)周辺流域における水資源保全を目的とした、山梨県丹波山村および東京都八王子市との協定の締結(同年6月)について発表しました。丹波山村は山梨県北東部に位置し、多摩川の源流・丹波川が流れています。総面積の97%を山林が占めるこの村で、今後水資源保全を目的とした森林整備を行っていきます。八王子市は多摩川に注ぐ16の1級河川を有しています。良好な里山環境保全を目的に、特別緑地保全地区に指定された「上川の里」では、森林保全に加えて、休耕田などの湿地復元にも取り組んでいきます。
また、このたびの協定により、当社17工場すべての工場周辺流域における水源涵養率が100%を達成する見込みとなります。
<関連動画>
「ミズとミト 多摩工場」篇 Full
「ミズとミト 丹波山村」篇 Short
「ミズとミト 丹波山村」篇 Full
「豊かな日本の水を守る コカ・コーラ | 丹波山村」篇
CCBJHグループの環境ポリシーでは、私たちの事業活動に欠かせない水を含めた自然資源を有効活用し、地球環境を持続可能な形で次の世代へ引き継いでいくことが重要な使命であると定めています。
水を使用するビジネスを行う当社にとって、森林、草原、その他の水源域及び生態系を保全していくことは必要不可欠です。私たちは、「CSV Goals」の一環として、水源涵養率の維持や水使用量の削減・効率化を目標とし、優先地域における水の保全・還元を進めることで、生物多様性の保全に取り組んでいます。
17工場すべての水源域において、地域の森林組合などと協定を締結し、森林の持つ多面的機能を最大限に発揮するため、長期的かつ継続的に活動を行っています。2022年にはTNFDフォーラムに参画し、工場周辺流域における生物多様性への影響の評価をスタートしました。
重要な生物多様性のある地域においては、外部専門家の指導に基づき、環境的影響の調査を進めており、今後はリスクの回避、最小化に取り組み、結果のモニタリング、開示を進めてまいります。
東京都と2022年4月に締結した、「東京グリーンシップ・アクションに関する協定」に基づき、多摩工場の水源域「南沢緑地保全地域」において自然環境保全活動に取り組んでいます。10月には東久留米自然ふれあいボランティアの方々と連携し、「森に学ぼう」プロジェクトin東京ひがしくるめを開催しました。「南沢緑地保全地域」には東京都のレッドリスト(保護上重要な野生生物種)に掲載されている植物のイチリンソウ、ニリンソウ、昆虫のハグロトンボなどが生育していることから、生物多様性の保全において貴重な地域であることを知る機会となりました。多様な自然環境を残すため、多摩工場で働く社員をはじめ参加者は、遊歩道の整備を実施しました。
「森に学ぼう」プロジェクトin東京ひがしくるめ
兵庫県などと「企業の森づくり活動への取組に関する協定」を2008年に締結以降、長年にわたり明石工場の水源域となる兵庫県立ささやまの森公園の一部を水源の森 たんばささやまと名付け、保全活動を行っています。兵庫県、公益社団法人兵庫県緑化推進協会、丹波篠山市、 丹波篠山市財産区、公益財団法人兵庫丹波の森協会、兵庫県森林組合連合会と連携し、2022年11月に実施した「森に学ぼう」プロジェクトinたんばささやまでは、明石工場で働く社員をはじめ参加者が、里山を保全することで種の多様性が回復することや、鹿の採食圧※1により下層植生の衰退が生じている森の現状などを学びました。また、参加者は同地域に生息する絶滅危惧種キンラン※2を鹿から守り植生の回復を図るための防護柵の設置も行いました。
翌年2023年11月に、設置後の生育状況観察を行ったところ、柵内の植生数は約10種類から約30種類へ、キンランにおいては、4株から8株へ増えていました。また、新たにコバノガマズミやムラサキシキブの出現も確認でき、種の多様性回復が着実に進んでいます。
※1 鹿が植物を食べる強度。 鹿が増えすぎると、それまで食べなかった植物まで食べるようになる。
※2 環境省 絶滅危惧II類 (VU)、兵庫県 Cランク
「森に学ぼう」プロジェクトin兵庫たんばささやま
キンラン
コバノガマズミ
広島工場の水源域を管轄している尾三地方森林組合と2008年に委託契約を締結以降、豊かで健全な森林を守り、育てるため、森林保全活動を行っています。2022年10月に広島県、三原市、尾三地方森林組合と連携、実施した「森に学ぼう」プロジェクトin広島みはらでは、広島工場で働く社員をはじめとした参加者に向け、間伐により日光を森林に取り込むことが、多くの種類の植物の生育と水源涵養機能の向上につながり、生物多様性の保全にも貢献できるという森林機能に関する説明を行い、実際に間伐を実施しました。さらに、環境に適した組み合わせとして、地域性在来植物である「イロハモミジ」と「ヤマザクラ」を選定し、植樹しました。
「森に学ぼう」プロジェクトin広島みはら
2011年より、阿蘇の草原環境の保全・再生活動を行う「阿蘇草原再生協議会」に賛同し、長年にわたり同協議会に対して寄付や社員による野焼きボランティアへの活動支援を継続しています。野焼きは、草原の再生維持だけでなく、炭素固定機能、水源涵養機能、景観維持、草原に生息する絶滅危惧種の生態系保全にも、大きく寄与しています。
阿蘇地域にはハナシノブ、オオルリシジミなどの絶滅危惧種が多く生育・生息しており、草原再生の取り組みを支援することはこれらの多様な生物の保全に貢献しています。
ハナシノブ
オオルリシジミ
また、2022年国連生物多様性条約締約国会議(COP15)の時期に合わせて、公益財団法人 阿蘇グリーンストックの方を講師に迎え、阿蘇地域の希少種、生物多様性の重要性、炭素固定機能、草原と森林の水源涵養機能の違いなどについて、社内で特別講義を実施し、社員の生物多様性の保全に対する意識向上に努めています。
阿蘇草原維持活動の特別講義
環境省を含めた産民官17団体が発起人となり設立された「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画しました。本アライアンスへの参画を通じ、森林整備を通じた生物多様性の保全にも貢献していきます。
当社えびの工場(宮崎県えびの市)の水源域として森林の保全整備に長年取り組んでいる「コカ・コーラ ボトラーズジャパン 水源の森えびの」が、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域として、環境省により令和5年度後期の「自然共生サイト」に認定されました。
さらに2024年8月には、OECM※として、国際データベースに登録されました。
「水源の森えびの」は、当社えびの工場(宮崎県)の水源域に位置する約203ヘクタールの里山で、2014年に当社と宮崎県、麓共有林、西諸地区森林組合の4者で森林保全協定を締結し、水源涵養活動を行っています。203ヘクタールの里山には、サワガニ、ヌマガエル等の両生類や、トビ、アオバト、イトトンボなどの生息が確認されており、当社は水源涵養地の山林としての保全を通じて、こうした多様性に富んだ生物の保全に貢献しています。
※OECM(Other effective area-based conservation measures):国立公園などの保護地区ではない地域のうち、生物多様性を効果的かつ長期的に保全しうる地域のこと
「い・ろ・は・す」は売り上げの一部を、日本各地に広がる森林の保全活動に寄付しています。
森は、大切な水のゆりかご。豊かな森林を守りぬくこと、それは、美味しい水を未来の世代へと引き継ぐことを意味します。
製造工場 | 水源域 | 団体名 |
---|---|---|
蔵王工場 | 宮城県 | 白石蔵王森林組合 |
埼玉工場/岩槻工場 | 群馬県 | 特定非営利法人利根川源流森林整備隊 |
茨城工場 | 茨城県 | つくばね森林組合 |
多摩工場 | 東京都 | (公財)東京都農林水産振興財団花粉の少ない森づくり |
海老名工場 | 神奈川県 | 厚木市森林組合 |
白州工場 | 山梨県 | 北杜市 |
東海工場 | 岐阜県 | 恵那中野方水源の森実行委員会 |
製造工場 | 水源域 | 団体名 |
---|---|---|
京都工場 | 京都府 | 宇治田原町森林組合 |
明石工場 | 兵庫県 | ひょうご森林林業協働組合連合会 |
大山工場 | 鳥取県 | 鳥取日野森林組合 |
広島工場 | 広島県 | 尾三地方森林組合 |
小松工場 | 愛媛県 | いしづち森林組合 |
鳥栖工場/基山工場 | 佐賀県 | 佐賀東部森林組合 |
熊本工場 | 熊本県 | (公財)阿蘇グリーンストック |
えびの工場 | 宮崎県 | 西諸地区森林組合 |
コカ・コーラ ボトラーズジャパンの工場では「製造に使用した水」の効率的使用や再利用に努めています。また、「製品に使用した水」は水源涵養を高める水資源保全活動を通じて、自然に還す取り組みを継続して行っています。
すべての工場では、工場の水源エリアを特定し、水量や水質などに問題ないか科学的に調査しています。さらに水源エリアで持続的に水を育み蓄える力を持ち続けていけるよう、地域、専門家の方々と協力して水資源保全につとめています。
コカ・コーラシステムの基準に適した水質を維持するために、汲み上げた水に異常がないか、すべての工場で念入りにチェック、安全な製品づくりの基本である水を原材料のひとつと考え、日々管理に取り組んでいます。
自然の恵みである水をムダにすることがないように、製品を製造するために使用する水の量を厳しく管理しています。工場敷地内の井戸から汲み上げる地下水は、量・質ともにコカ・コーラシステム独自の要件に従って監視し、日本の法律に基づいて適切に許可され管理されています。自治体の支援のもとで綿密に作成された計画に基づき、すべての工場で24時間、取水量を計測、監視し、定期的に自治体へ報告も行っています。
水はお茶やコーヒーの抽出など製品そのものに使用されるほか、容器やラインの洗浄・殺菌工程などでも使用されます。当社では製造過程における水の使用量の管理を徹底するとともに、使用された水の循環利用も行っています。
水使用量削減の一例として、薬剤を使用しない電子線殺菌「エレクトロン・ビーム(Electron Beam)」システムを導入しています。空PETボトルの殺菌を薬剤を使用せず行うことで、新ラインでは、1日の水使用量が従来と比較して、約400トン削減できています。
また、一部の工場では、洗浄用の水や加熱用の水など、さまざまな工程で使用された水を、RO※膜という特殊なフィルターに通して不純物を取り除くプロセスにより、洗浄・加熱用等に再利用しています。水の効率を高め、毎年、少しでも水の量を減らしていけるよう、製造プロセスや工場設備を常に見直し、改善につなげています。
※RO(Reverse Osmosis): 逆浸透の意味。水中の水分子だけを通過させて、イオン等の不純物を除去する浄水方法
自治体が策定している流域循環計画の概要や条例、取水・排水規制、自然災害ハザードなど工場周辺の状況を把握し、コカ・コーラシステムの基準に適した取水・排水の水質を維持する活動を続けています。排水処理に関しては法定基準よりも厳格な自主基準を設定し、潜在的な水汚染を見逃さないよう、厳格に管理しています。また、水関連の環境関連法規である水質汚濁防止法などの法令遵守も徹底しています。
工場で使用された、容器や設備の洗浄水、冷却水などの排水は、適切に処理した後に下水道や河川に放流しています。下水道に放流する工場では、浮遊物の除去やpHの調整などを行い、法令や地域の水道局から要請された基準を満たした上で放流しています。河川に放流する工場では、工場敷地内で浄化し、国内法で定められた水質基準とコカ・コーラシステムの基準のより厳しいほうに従っています。
処理された水は一旦、工場敷地内の調整槽に蓄えられ、適正に処理される前に敷地外へ流れ出ないように、厳しく監視されています。
すべての工場で工場排水・冷却水・汚水を微生物を使用した活性汚泥法により二次処理浄化してします。
広島工場では2020年に廃水プラントを導入し、特殊なフィルターなどでさらに三次処理した水を自然に戻しています。
一次処理:沈殿などによるごみや大きい浮遊物質除去
二次処理:活性汚泥などの微生物による有機物の分解
三次処理:特殊なフィルターや凝集剤などによって沈殿させる処理
コカ・コーラシステムの水リスク評価スキームでは、世界資源研究所(WRI)の AQUEDUCT※を活用し、地理的に水ストレスの高いエリアを把握しています。また、地方自治体の公表しているハザードマップに基づき、洪水、土砂災害、地震などのリスクを特定しています。
科学的な調査を通じた工場ごとの水関連リスクを特定するフレームワークとして、コカ・コーラシステム独自の源水脆弱性評価(SVA: Source Vulnerability Assessment)を全工場で5年毎に実施し、水文学専門家の承認を得ています。SVAに合わせて、水管理計画(WMP: Water Management Plan)を策定し、経営層の承認を受けた上で水源保全の取り組みを計画的に実行しています。計画の進捗や効果に関しては、年1回評価しています。
水関連リスクは自治体による規制などの影響度や発生可能性などと合わせ、企業の水関連リスク評価(EWRA: Enterprise Water Risk Assessment)としてまとめ、リスクマネジメント委員会で報告されています。さらに、その土地固有の水リスクや脆弱性は詳細な検証結果を基に、リスク対応策を含む脆弱性評価(FAWVA: Facility Water Vulnerability Assessment)報告としてまとめられます。日本のコカ・コーラシステムとして持続可能な水資源保全、洪水による影響の低減、水使用の効率化などを中長期的戦略に活用しています。
※AQUEDUCT: WRI が開発した水リスク評価のグローバルツール。立地する地域の水リスクを水量、水質、規制・評判の観点で評価
企業や自治体向けに環境情報開示システムを運営する、国際的な非営利団体CDPが実施する2023年度「水セキュリティ」の調査において、最高評価の「Aリスト」企業に選定されました。「水セキュリティ」では初めての「Aリスト」選定となりました。
2022年4月、水の持続可能性に関する方針と実施について、企業の発展・実践・情報開示を支援する水資源問題のグローバルプラットフォームである「The CEO Water Mandate」に署名しました。
水資源の責任ある管理と利用の国際認証であるAWS規格(ウォーター・スチュワードシップ)の運用を通じて、地域の水資源の持続可能性への貢献を目指します。
コカ・コーラシステムでは、環境負荷の削減と事業の成長を両立させることが企業における持続的成長の基本要件であるとの考えのもと、取り組みを推進しています。CCBJHグループでは、独自の非財務目標「CSV Goals」で掲げた「2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減(スコープ1、2)、温室効果ガス排出量30%削減(スコープ3)」の達成を目指して、調達部門、製造部門、物流・輸送部門、販売部門までを網羅した事業全体での GHG排出量削減の施策に取り組んでいます。
また、廃棄物管理やリサイクルの推進はもちろんのこと、オフィスや製造工場、セールスセンターなどすべての事業拠点において法令遵守と環境負荷低減を目標に掲げ、ISO14001の運用を行っています。
温室効果ガスの排出実績および進捗状況などを把握・共有し削減につなげています。
2021年10月、新たに策定したGHG排出量削減目標は、日本国内のコカ・コーラシステムの活動から直接または間接的に発生するGHG排出量の合計をSBTイニシアチブ※に基づき数値化し、スコープ1、2、3それぞれの領域において排出されるGHGの絶対量の削減を目指すものです。
今後もスコープ1、2、3それぞれの領域においてGHG排出量の削減に取り組むとともに、日本政府の掲げる温室効果ガス削減目標(2030年度の排出量を2013年度比で46%削減)の達成にも積極的に貢献します。
2022年7月、CCBJIは日本のコカ・コーラシステム最大級の保管・出庫能力を持つ自動物流センター「明石メガDC」の稼働を開始しました。これまで各セールスセンターで行ってきた仕分けやピッキング、在庫保管などの倉庫業務を段階的に集約し、お得意さまや各自動販売機などのエンド・ツー・エンドまで高効率に製品をお届けするネットワークを構築します。
戦略的な物流ネットワーク改革を推進する「新生プロジェクトのSHINSEIネットワーク」では、メガDCを中心に白州や熊本など新たな大型物流倉庫の導入、ハブ倉庫やセールスセンターの統廃合により、複雑なサプライチェーンネットワークの効率化に取り組んでいます。CCBJHグループは、これらの取り組みによるサプライチェーンの最適化によって、環境負荷の軽減などサプライチェーンが抱えるさまざまな問題の解決に努めています。
※ 企業レベルのGHG排出量の計算は、世界持続可能な開発のためのビジネス協議会(WBCSD)と世界資源研究所(WRI)が管理する企業GHG排出量のベストプラクティス標準であるGHGプロトコル基準(企業排出量と企業バリューチェーン、スコープ3標準)と一致しています。
サスティナブル素材の導入
再生可能エネルギーの検討・活用
グリーン電力証書の購入
エネルギー効率向上のプロジェクトを全工場横断で展開
省エネ型製造ラインの導入
ソーラーパネルを工場に設置
ラベルレス製品の製造
メガDC稼働によるサプライチェーンの最適化
容積の小さいプリフォーム※1での積載による輸送台数、燃料使用量削減
モーダルシフトの実施
営業/配送ルート効率化による車両数削減と燃料使用量削減
日中の消費電力を最大95%削減するピークシフト自販機※2の展開
消費電力やGHG削減効果のある販売機器の導入
企業や自治体と協働したPETボトルの新たな資源循環システムの構築と運用
コーヒーかす、茶かす100%再資源化
資源循環促進に向けた容器の分別排出の啓発
水平リサイクル「CAN to CAN」や「パレットtoパレット」などの推進
※1 プリフォームは、試験管のようなPETボトルの原型
※2 ピークシフト自販機は、夜間に集中冷却することで、日中の消費電力を削減する自動販売機
各工場では、機械効率の改善、生産性改善および歩留まり改善を軸としたエネルギー効率アップにつながる種々のプロジェクトを全工場横断で展開しています。また、ひとつのエネルギー源から電力と熱を同時に生み出すことができるコージェネレーションシステムの導入や、水蒸気を生成するボイラー設備の燃料を化石燃料から天然ガスへ転換するといった施策を進め、製造工程から発生する温室効果ガス排出量および化石燃料使用量の削減に努めています。
工場間や倉庫間の拠点間輸送については、車両の大型化による積載率の改善に向けた取り組みを加速させるとともに、モーダルシフトの取り組みも継続的に実施することで、輸送の効率化を進めています。
また、お得意さまへの配送ルートの効率化やエコドライブの徹底、水素トラックや電気自動車、ハイブリッド車など低燃費車両への入替を促進、営業車両の小型化などを通じ、グループ全体で温室効果ガス排出量の削減を図っています。
市販されているPETボトルの原型は「プリフォーム」と呼ばれるPETボトルで、容積が小さいため一度に多量を運ぶことができます。
これにより燃料使用量を削減することができ、窒素酸化物や二酸化炭素の排出を大幅に減らしています。
自動販売機、クーラー、ディスペンサーといった販売機器の消費電力量削減やCO2 排出量削減に向けて機材の開発・導入を継続的に進めています。
2013年から展開している「ピークシフト自販機」は、日中に冷却用の電力を使わず夜間にシフトすることで、日中の消費電力を最大95%削減することが可能です。最長16時間もの間、冷却用の電力を完全に停止しても、24時間冷たい製品を提供できる省エネ仕様です。また、私たちが展開している機材において、製品冷却に使用される冷媒のノンフロン化計画を進めています。
当社は環境省がテナント企業などによる脱炭素化への取り組みを取りまとめた「リーディングテナント行動方針」に賛同しています。
「リーディングテナント行動方針」は、日本国内における温室効果ガス(GHG)排出量のなかで高い比率を占める事務所ビルのCO2排出量削減を推進することを目的とし、ビルのテナント側がZEB化※をはじめとする脱炭素化を実現するための取り組みをとりまとめたものです。(詳細はこちら)
当行動指針に則り、ビルオーナーと協力しながら、省エネ、再生エネルギーの活用など、事業所内における脱炭素化への取り組みを推進してまいります。
※ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
2022年2月、私たちはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアムに参画しました。当提言に基づき、気候変動関連リスク・機会の財務的影響の分析を行うとともに、対応策を検討し、中核要素である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の視点でのより充実した情報開示に努めてまいります。
「GXリーグ」は、2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GX(グリーントランスフォーメーション)ヘの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取り組みを行う企業群を官・学と共に協働する場として設立されました。GXへの挑戦を行う企業が、温室効果ガス(GHG)排出量削減に貢献しつつ、外部から正しく評価され成長できる社会(経済と環境および社会の好循環)を目指しており、2023年度より本格的な活動が開始されました。私たちの活動の方向性が「GXリーグ」の趣旨に合致するものと考え、経済産業省が公表した「GXリーグ」に参画し、その取り組みを進めています。
2022年3月、気候変動対策推進を目的として、国内の企業・自治体により発足したネットワークである、気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative : JCI)の宣言に賛同し、参加しました。
日本のコカ・コーラシステムが掲げる2030年までのGHG排出量削減目標の達成を引き続き目指していきます。
CCBJIは、2019年より、山梨県と東京電力エナジーパートナー株式会社が共同で運営する電力供給ブランド やまなしパワーPlus 「ふるさと水力プラン」との供給締結により、水力発電電力の使用を開始しています。
やまなしパワーPlus 「ふるさと水力プラン」は、山梨県企業局の水力発電所で発電された電力に電源を限定して供給され、CO2排出係数をゼロにすることが出来る環境価値メニューです。水力発電は発電の時にCO2を排出しない再生可能エネルギーであるため、本プランは電気の使用に伴うCO2排出量をゼロにすることができます。供給契約締結に伴い、当社は通常の電力料金に1キロワットアワーあたり1円が加算された電気料金を環境付加価値として支払い、その一部が山梨県の環境保全事業などの施策に充当されます。これにより、環境負荷低減に取り組んでいきます。
(左)山梨県 企業局長 高野様
(右)コカ·コーラ ボトラーズジャパン(株)白州工場 平山工場長
※2021年更新時
「アクアプレミアム」は東京電力エナジーパートナーが提供する発電時にCO2を排出しない水力発電のみの電力を購入するプランです。通常の電力料金に、加算された電力料金(環境付加価値)を支払い、茨城工場の電力として使用しています。
「グリーン電力証書」は自然エネルギーにより発電された電気であることを第三者認証機関が認証するシステムです。通常の電力料金に、加算された電力料金(環境付加価値)を支払い、多摩工場の電力として使用しています。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、東海工場、広島工場、えびの工場の見学施設に、太陽光パネルを設置し、自社電力として利用しています。2020年10月に完成した広島工場の見学施設では、渡り廊下の外壁に透過性のあるソーラーパネルを採用し、発電した電力を照明に利用しています。
私たちは、事業活動に欠かせない水を含めた自然資源を有効活用し、地球環境を持続可能な形で次の世代へ引き継いでいくことを重要な使命と捉えています。 そのために、環境負荷の低減と事業の成長を両立するイノベーションにより地球環境の保全を進め、地域社会における自然環境の保護と環境啓発を通じて、地域社会との共創価値(CSV)を実現します。
私たちは、環境に関する以下のポリシーに基づいて事業活動を行います。
製品のライフサイクル、すなわち原材料の調達から生産・物流・保管・販売・回収やリサイクルを通じて環境負荷の低減を図ります。また、新製品の開発やサービスの導入、サプライヤーの選定等においても、環境負荷を考慮します。
豊かな水資源を次世代へ引き継ぐため、製造に使用する水の削減や適切な処理に努め、さらに地域社会との協働を通じた水資源保全に取り組みます。
気候変動の緩和に貢献するとともに、私たちの事業の持続的な成長につなげるため、事業全体にわたる温室効果ガス排出量を削減する施策に取り組みます。
資源が持続的に循環する社会を実現し、水やエネルギーなどを効率的に利用するため、適切な経営資源を投入します。
生産の最適化に向けた社員教育を行い、サプライチェーンパートナーとも緊密に協力して、食品廃棄の総量削減に努めます。カスタマーに製品の保管手順と鮮度ルールを提供し、消費者に賞味期限を表示する方法に関し業界団体や同業者と協働します。
消費者のニーズに合わせて、さまざまなサイズの製品を提供します。
私たちは、顧客、ビジネスパートナー、業界団体、規制当局、学界、NPO、およびコミュニティと協力して、食品ロスの有効利用を目的としたプログラムをサポートします。また、彼らと協働して食品ロスを防ぎ、バリューチェーンにおける食品ロスと廃棄物の量を減らすのに役立つ革新的なソリューションを特定し実現に努めます。
自然生息地を特定し、保護します。生態系は、新たな生産により改変または破壊されることはありません。
私たちは、自然生息地、保護地域、生物多様性の保護および促進に努め、長期的な気候ストレス要因に対する復元力を培うアプローチを通じて可能な限り生態系の復元に努めます。
地域社会をはじめとするステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、それぞれのニーズに応えることを目指し、常に周りから信頼され期待を上回る企業として行動します。
地域の方々、そして私たちの事業活動に関わるすべての人の環境意識を向上するため、さまざまな教育・活動の機会を提供します。また、環境保全や清掃活動等にも積極的に参加します。
常に先を見据え、環境目標を定期的かつ必要に応じて見直し、環境パフォーマンスの継続的向上に取り組みます。
法令・協定の遵守はもとより、The Coca-Cola Companyの求める、より厳しい自主基準を遵守します。
このポリシーは2018年1月1日から制定実施します。
(2021年6月改定)